kanさん
こんなことを他人の私が言うのは余計なお世話なことだとは十分理解していますが、書かせてください。
でも、もしかしたら、これはkanさんのお父さんのことなので、kanさん自身も悩まれているかもしれませんね。
その前に、私の痛みについてのお気遣いありがとうございます。
私のほうはようやく今回の副作用のピークは超えたか?という感じになってきました。(まだまだ痛いですけどね ^^;)
とりあえずは、「あれっ、昨日よりは痛くない?かな?」っていうのを感じることができるようになりました。
さて本題です。
率直に書きますが、現時点で画像上はがん細胞がなくなっているのにも関わらず(抗がん剤による完全奏功:CR(Complete Response)ということですよね?)、膀胱全摘するのはどういうことなのでしょう?
kanさんやお父さんご自身はこれに関してまったく疑問を持っていないのですか?
医療に素人の私がこういうことを書くのは気が引けますが、あえて書きますね。
もちろん現時点で画像には見えないがんが残っている可能性は高いかもしれません。(現在の画像解析技術では5mm以下のがん細胞は判別不可能みたいです。)
ですので、主治医のおっしゃる「時限爆弾を抱えている」という意味も少しはわかります。
ですが、【今】膀胱を全摘する必要はどこにあるのでしょう?
膀胱癌というのはがんの中でもそれほど進行の早いがんではないと聞きます。
であれば、例えるならば、今は時限爆弾のタイマーが動いていない状態だと思うんですよ。
そして、進行がそれほど早くないということは、今後のこまめな検診によりタイマーがスタートしてしまったのを確認してから爆弾を除去しても十分間に合うと思うんですよ。
何より、もしかしたら今後ずっとタイマーはスタートしないかもしれません。
そのような状態な今、なんでそんなに焦って膀胱を取る必要があるのでしょう?
そして、この例えのように、ものが時限爆弾であればそれはまったく必要のないものなので除去したほうがいいですが、今回の場合はものは世界に一つしかない貴重な臓器です。
一度摘出したらもう後戻りはできないですよ。
しかも、もし万が一取り出した臓器にがん細胞がまったくなかったらどうします? 後悔しませんか?
爆弾のタイマーがいつ作動するかが不安で、その不安を感じながら今後の生活を暮らすくらいなら取ってしまってすっきりしたほうがましというなら、それはそれで摘出が正解だと思います。
ですが、以前の書き込みではkanさんのお父さんは膀胱摘出には反対でしたよね?
それが今でも考えが変わらないのであれば、今は様子見のこまめな経過観察が正解だと思うのですが・・・
それと、私が
この日記で書いた「出鱈目な手術計画」以降を読んでみてください。
これと同じかどうかは素人の私には判断できませんが、私にはお父さんの主治医が、一度スケジュールを組んでしまったものは止めたくないから、たとえがんがなくなろうが手術は予定通り遂行したいと思っているだけにしか見えません。
主治医の方は手術したいだけ、切りたいだけ、一度決めた予定を取り消したくないだけなのではないでしょうか?
もし今でもお父さんの第一希望が何はおいても臓器温存であるならば、もう一度よく話し合ったほうが良いと思います。
今からでもまだ間に合います、まだ遅くはありません。
ですが、一度臓器を摘出してしまったらもう二度と元には戻れません。
少なくとも1ヶ月くらいは延期してよく考えたほうが良いと思います。
1ヶ月という短期間でがん細胞が爆発的に増えることはめったにないのですから。
医療に関して素人の私が、ブログという責任のない立場で、このようなその人の人生を左右するような内容に触れるコメントを書いてしまって大変申し訳ありません。
しかも、他人の私がとやかくいうのは、非常にお節介なことだと思いますので、その点も申し訳ありません。
ですが、一言kanさんに伝えたくて書きました。
しつこいようですが、現時点でがんが見えないのであれば、せめて延期したほうが良いと思うのですが・・・
その際、臓器摘出という重大なことなのに、延期すら良い顔をしない主治医であれば、それは主治医を変えたほうが良いと思います。
こんな重大なことを悩むことに対してよい顔をしないというのは、医者としての前に「人としてどうよ?」という気が私はします。
[3回]
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COMMENT
無題
ただ、内容に一部現在の泌尿器科医の考え方と食い違っており、専門家としてご意見いたしたくコメントいたしました。
恐らくkanさんという方のお父さんは浸潤性膀胱癌で術前補助化学療法を受けて、非常に有効であったのだと思います。術前補助化学療法の目的とは、膀胱局所(そのもの)への効果はもちろんですが、画像上は認めないリンパ節などへの微小転移に対して化学療法を行い、いわばやっつけておいて手術ですべてとりきることを目的としています。ですので、画像上CR(完全消失)であったとしても手術すべきと言うのが基本的な考え方です。
ブログ主さんの意見のように、再び現れるのが待つ、と言うのは、それが膀胱であればよいのですが、肺や肝臓などに転移として見つかってしまう可能性もあるのです。そのような場合、有効な治療がなく、命にかかわってしまいます。
確かに現時点で膀胱全摘をすると、T0(ティーゼロ=がんなし)という病理結果になるかもしれません(実際たまに経験します)。しかし、上述したようなリスクを考えると、現在の画像診断技術からは、膀胱全的をおこなうことがよりベネフィットがありスタンダードであると考えます。
昨年、日本泌尿器科学会から膀胱癌診療ガイドライン(発売は医学図書出版)が刊行されました。基本的には医療者(泌尿器科医)向けで、一般の方にはわかりにくいかもしれませんが、この内容が現在日本で受けられる医療のうち、しっかりとしたデータにもとづく最良のものと考えられます。その他アメリカ(NCCN)、ヨーロッパ(EAU)のガイドラインも英語ですが、ウェブ上で公開されています。皆さんの治療を決定する一助になれば幸いです。(本当はもっと分かりやすいものがあればよいのでしょうが・・・)